住宅ローン・任意売却・競売・不動産に関する 専門用語辞典

任意売却・競売 専門用語辞典

住宅ローン、不動産、競売、任意売却などで使う言葉には、耳慣れない専
門用語が多いものです。返済が滞った際に突如裁判所から届けられる案内
 には、見たことのない言葉が並び、それだけでも不安になることがありま
す。 しかし「この用語は、書類は何を意味するものなのか?」と思ったら、
 まず調べてみることをお勧めします。意味だけでも知っておくと、少しは
落ち着を取り戻せるからです。次の手だてや解決法を考えるのに役立つこ
 ともあります。
この辞書では、住宅ローン・任意売却・競売・不動産に関する専門用語を
五十音順に並べました。ぜひご活用ください。



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買受可能価額(かいうけかのうかがく)
売却基準価額から2割を控除した額で、入札価格の最低価格。これを下回る価額での入札は無効。


買受人(かいうけにん)
競売不動産を最も高い金額で落札(最高価買受申出人)し、裁判所から1週間後に売却許可決定がおりると「買受人」となる。

開札期日(かいさつきじつ)
競売公告に記載された、開札が行われる日のこと。開札前日までであれば、任意売却や残債務の全額返済などにより、競売を取り下げてもらうことができる(ただし、債権者の対応による)。

買付証明書(かいつけしょうめいしょ)
不動産物件の購入希望者が、金額を明示し書面で通知する文章のこと。法的拘束力はないが、契約に向けての第一歩である。

買い戻し(かいもどし)
競売となってしまった自宅を、再び買い戻すこと。

瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)
「特定物の売買契約において、その特定物に隠れたる瑕疵(かし)があったとき、売り主が負うべき責任を「瑕疵担保責任」という」(民法第570条)
 「隠れたる瑕疵」とは、買い主が知らずに、または知り得ずにいた瑕疵のこと。売り主より告げられた瑕疵、買い主が知っている瑕疵、買い主が普通の注意をしていれば知り得た瑕疵は「隠れたる瑕疵」にはあたらない。

借換(かりかえ)
返済中の住宅ローンを他の金融機関から新たに借り入れることによって完済し、新たな金融機関の別の住宅ローンに切り換えることをいう。主に高金利時代に借りた住宅ローンの総返済額を軽減させるために行う。借換前後の金利差が大きく、ローン残高も大きい場合に、メリットが大きい。ただし、新規にローンを組むことになるので、ローン残高に応じて手数料がかかる。さらに、住宅の時価がローン残高を大きく下回っている場合には、借り換えが難しいこともある。

仮差押(かりさしおさえ)
債権者が金銭債権を持ち、債務者が返済を滞納するなど、債務者の財産状況が著しく悪化していることが明らかな場合、債権者は債務者の財産(不動産など)の売却などを一時的に禁止するよう、裁判所に申請できる。裁判所がその申請を認めた場合に、裁判所は債務者に対して、財産の売却などを当分の間行なわないよう命令する。この命令を「仮差押」と呼ぶ。

仮登記(かりとうき)
本登記を申請するために必要な手続き上の条件が備わっていない時や、将来しなければならない本登記の順位をあらかじめ保全しておくためにする登記のこと。

管財事件(かんざいじけん)
破産者に不動産や株式、預・貯金など多少とも財産が残っている場合、つまり「破産手続に必要な費用を捻出できるだけの財産」があるときには、破産手続開始決定と同時に裁判所によって破産管財人が選定される。破産手続開始決定の後、管財人が選任され、破産手続きが進められる場合を管財事件という。
この場合は、破産者の財産を破産財団という形でひとまとまりにして、管財人の主導のもとで、破産財団を処分してお金に換え、債権者に分配する手続きをとる。


管財人(かんざいにん)
破産管財人(はさんかんざいにん)のこと。

元金均等返済(がんきんきんとうへんさい)
元金均等返済とは、住宅ローンの返済方法の一つ。ローンのうち、元金部分を毎月一定額返済していく方法。
住宅ローンの返済方法には、元利均等返済と元金均等返済の二つがある。元金均等返済は、ローンの元金部分のみを毎月一定額返済していく方法。金利部分は、ローン残高が減るにしたがって徐々に支払額も減少していく。元金均等返済では、総返済額が元利均等返済よりも少なくなるメリットがある。ただし、(1)当初の返済額が多くなるため、十分な月収がないと借り入れ審査に通りにくい、(2)扱っている金融機関が少ない、といったデメリットもある。

元利均等返済(がんりきんとうへんさい)
元利均等返済とは、住宅ローンの返済方法の一つ。住宅ローンの毎月の返済額(元金と利息)を、全期間を通じて一定にする返済方法。 住宅ローンの返済方法には、元利均等返済と元金均等返済の二つがある。このうち一般的なのは元利均等返済で、元金と利息を合わせた返済額が、全期間を通じて一定になるのが特徴。ただしローン返済の初期は、返済額における利息の割合が高く、なかなか残高が減らない。また住宅ローンの総返済額も、元金均等返済に比べて多くなる。

期間短縮型(きかんたんしゅくがた)
期間短縮型とは、住宅ローンの繰上返済の返済方法の一つ。
住宅ローンの繰上返済の方法には、期間短縮型と返済額軽減型の2つがある。期間短縮型繰上返済を行うと、返済期間が短縮される。期間短縮型は文字通り、毎月の返済額はそのままで、住宅ローンの返済期間を短くする返済方法。繰上返済で返済した金額は、基本的に全額が元金部分に充当される。このためローンを借り入れてからできるだけ早い時期に期間短縮型繰上返済を行うと、繰上返済分の金利をカットでき、住宅ローンの総返済額を大きく軽減できる。

期間入札(きかんにゅうさつ)
裁判所書記官が定めた期間内に入札を受け付け、後日改札を行って落札者を決定する入札方法。

期限の利益(きげんのりえき)
期限の到来までは債務の履行をしなくてもよい、という債務者の利益のこと(民法136条)。

期限の利益の喪失(きげんのりえきのそうしつ)
契約違反などで、期限の利益を失うこと。 例えば、期日までに債務の返済を履行できない時には期限の利益が喪失し、債務の一括弁済が求められる。
また、通常住宅ローンの場合、債務者が期限の利益を喪失すると、債権者は保証会社に対して代位弁済を請求し、保証会社は債務者に代わってローン残を債権者に支払う。この時、債権が求償権の範囲で保証会社に移転する。移転した債権により、保証会社は債務者に対して一括弁済を請求する。

求償権(きゅうしょうけん)
保証人が債務者に代わって貸金などを支払った(返済した)場合に、主たる債務者に対して、支払い分を後に返還請求できるという権利。たとえば連帯債務者の一人が債務を弁済した場合、他の連帯債務者に対して、あるいは保証人が債務を弁済した場合に主たる債務者に対して、返還を請求することができる。

給料差押え(きゅうりょうさしおさえ)
給料差押えとは、銀行や消費者金融などの債権者が、債権回収のため、裁判所に申立てる法的手続きの一つ。債権者から申立を受けた裁判所は、債務者の勤務先に対して、給与の一部を直接債権者に支払うよう命令を発するため、会社は、差押えされた金額を債務者ではなく、申立人(銀行や消費者金融など債権者)に支払う。

強制競売(きょうせいきょうばい)
債権者は、公正証書、判決などの債務名義に基づき、債務者又は保証人の所有する不動産に対して当該不動産を管轄する地方裁判所に対して強制競売を申し立てることができる。(法43条)
金銭債権において、債務者が弁済しない場合には、債務者の弁済に充てるために債権者の不動産を強制的に売却換価して債権者の債権に充当する手続きすることができる。強制競売では、競売事件番号が「平成○○年(ヌ)第○○○号」と記される。住宅ローンで返済が滞った場合など、通常の競売は「担保権の実行としての競売」であり、「平成○○年(ケ)第○○○号」と記される。

強制執行(きょうせいしっこう)
債務者に給付義務を強制的に履行させる手続のこと。強制執行を行なうには、公的機関が作成した確定判決などの債務名義が必要で、その債務名義に「執行文」が付与されていなくてはならない。

共同担保(きょうどうたんぽ)
共同担保とは、同一債権の担保として複数のもの(家屋、土地など)の上に担保物権(先取特権、質権、抵当権)を設定すること。

共同入札(きょうどうにゅうさつ)
一つの財産を複数の者が共有する目的で入札すること。

金銭消費貸借契約(きんせんしょうひたいしゃくけいやく)
お金を借りる借主が、貸主から金銭を借り入れてその金銭を消費し、その借入額と同額の金銭(利息付の場合は利息分も含めて)を貸し主に返済する契約のこと。金融機関と交わす住宅ローンなどがこれにあたる。

金融円滑化法(きんゆうえんかつほう)
金融機関が、中小企業や住宅ローンの借り手の申込みに対し、できる限り、貸付条件の変更などを行うよう努めることなどを内容とする「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」。返済猶予法、モラトリアム。

繰上返済(くりあげへんさい)
繰上返済とは、住宅ローンの残高の一部または全部を、返済期間中に繰り上げて返済すること。住宅ローンの開始から早ければ早いほど、金利軽減の効果が大きい。繰上返済には、住宅ローン残高のすべてを一括して返済する「全部繰上返済」と、一部のみを返済する「一部繰上返済」がある。一般的に使われているのは「一部繰上返済」のほう。
まとまった資金ができたので、住宅ローンの返済に回したいという場合に利用できる。繰上返済した金額は、基本的に全額が住宅ローンの元金部分に充当される。このためローン開始から早ければ早いほど、利息軽減効果が大きくなり、総返済額も少なくなる。なお一部繰上げ返済には、返済期間を短縮する期間短縮型と、月返済額を軽減する返済額軽減型の二つがある。また通常は、繰上返済を行うには、手数料がかかる。

競売(けいばい、きょうばい)
複数の買い手が値づけをし、最高価格を提示した買手に売る仕組み。法律では、「けいばい」と呼ばれる。一般的な不動産競売は債権者(金融機関)が裁判所に申し出て、債務者の所有不動産を法的に売却する手続きをいう。

競売開始通知(けいばいかいしつうち)
担保不動産競売開始決定(たんぽふどうさんけいばいかいしけってい)の項を参照。

競売の取下げ(けいばいのとりさげ)
競売手続の停止を求めること。
(1) 債務者からの申立てによる競売手続きの停止(民法第39条)。
債務者は執行停止文書を裁判所に提出して、競売手続きの停止を求めることができる。執行裁判所がこれを認めると、競売手続きは取り消される。
(2) 売却が困難な場合の競売手続の停止(民法第68条3)
執行裁判所は、入札又は競売による売却を3回実施しても買受けの申出が無かった場合において、今後更に売却を実施させても売却の見込みがないと認めるときは、 競売の手続を停止することができる。

(3)債権者側が取下書を提出したとき。
申立債権者は開始決定がされた後でも、売却が実施されて売却代金が納付されるまでは、いつでも取下書を裁判所に提出する事により申立てを取り下げることができます。ただし、売却が実施されて、執行官による最高価買受申出人の決定がされた後の取下げについては、原則として最高価買受申出人又は買受人及び次順位買受申出人の同意を必要とする。従って、確実に取り下げるためには、申立債権者は、開札期日の前日までに執行裁判所に対し取下書を提出する必要がある。


件外建物(けんがいたてもの)
競売物件が土地である場合に、その土地上に建っている、競売とは関係のない、競売対象外の物件建物のこと。


件外土地(けんがいとち)
競売物件と何らかの関わりのある、競売になっていない土地。例えば、競売の建物が隣地に跨っている場合の隣地、競売の土地と道路との間に存在する第三者所有の土地などがある。

現況調査・現況調査報告書(げんきょうちょうさ・げんきょうちょうさほうこくしょ)
現況調査報告書は、裁判官の命令を受けて、裁判所執行官が競売不動産の現地に臨み、不動産の現況や占有状況について聞き取りした結果などを裁判官宛に報告したレポート。この調査が入って約3、4ヵ月ほどで競売の入札が行われる。

現況有姿売買(げんきょうゆうしばいばい)
現状のままで、売買取引を行うこと。 不動産売買契約書上で、「現況有姿にて引き渡し」などの文言が記載される。

公正証書(こうせいしょうしょ)
公証人が公証人法・民法などの法律に従って作成する公文書のこと。金銭消費貸借契約に関しては、債務者が一定の事情が発生したときには直ちに強制執行に服するという旨の陳述(これを「執行認諾約款」という)が記載されている。この場合の公正証書は裁判所の確定判決と同等の効力を持つこととされている。公正証書には、遺言公正証書、任意後見契約公正証書、金銭の貸借に関する契約や土地・建物などの賃貸借に関する公正証書、離婚に伴う慰謝料・養育費の支払に関する公正証書並びに事実実験に関する公正証書などがある。

個人再生 (こじんさいせい)
個人再生とは、裁判所を通じて借金を減らし、残額を分割で支払っていくための手続き。自己破産すると借金はなくなるものの、自宅や、宅地建物取引主任者や生命保険外交員などの資格を失う。しかし、個人再生の手続きを経ると、自宅や資格を失わないでもすむようにすることができる。
住宅ローンについては、住宅ローン特則という、住宅ローンの支払い方法の変更を認める制度を使う。→ 住宅ローン特則
 (じゅうたくろーんとくそく)の項を参照。

個人信用情報機関(こじんしんようじょうほうきかん)
個人の年収や住宅情報、勤務先などの属性情報、 ローンの支払い情報など信用情報を登録し、加盟会員がその情報を照会することで過剰融資の防止を図るために設置された情報機関。信用情報機関ともいう。

貸金業規制法、割賦販売法では過剰貸付などの禁止規定の中で個人信用情報機関の利用が定められている。また、情報を登録された個人は自己の内容について開示を受ける権利がある。

固定金利型住宅ローン(こていきんりがたじゅうたくろーん)
ローン契約時に決められた金利が、全返済期間を通じて固定されているローンのこと。 住宅ローンの金利には、固定金利型、変動金利型、固定金利選択型の三つがある。固定金利は全期間を通じて金利が固定されているのが特徴。一般的には変動金利よりも借り入れ金利は高くなるが、好不況などによる金利の変動の影響を受けないため、総返済額が変わらず、返済計画が立てやすい。金利の上昇が見込まれるときは、変動金利よりも固定金利を選択した方が安心。

固定金利選択型住宅ローン(こていきんりせんたくがたじゅうたくろーん)
住宅ローンの返済開始から一定期間は固定金利、その後は変動金利となる住宅ローンのこと。 住宅ローンの種類には、固定金利型、固定金利選択型、変動金利型の三つがある。固定金利選択型住宅ローンは、民間の住宅ローンではもっとも一般的な商品。当初の一定期間は固定金利だが、その後は変動金利となる。固定金利の期間を1~10年程度から選択できることから固定金利選択型と呼ばれる。固定金利の期間が長いほど、住宅ローン金利が高くなる傾向がある。